理系大学生の戯れ言

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仮面ライダー響鬼は不人気だけど魅力的な作品

仮面ライダー響鬼|映画・ドラマ・アニメの動画はTELASA

仮面ライダー響鬼は2006年に放送された、平成仮面ライダーシリーズの第6作目に当たる作品。

それまでのクウガブレイドと比べるとかなり個性の強い作品になっている。

 

序盤の数話こそ微妙だが見続けているうちにその魅力を垣間見える。特にヒューマンドラマ的側面は強調されている。

またそれは30話とそれ以降(後述)での転換の影響が少なかった部分でもある。

 

概要

まず、主人公。

本作の主人公を誰と捉えるかは人によって異なるかも知れない。というのも、響鬼に変身するヒビキさんと、変身はしないがストーリーのメインキャラクターを務める明日夢くんがダブル主人公としてストーリーが進行する。

 

響鬼の世界のバックグラウンドとして、仮面ライダーという単語は使われず、ヒビキさんは魔化魍(まかもう)とよばれる怪物の退治を仕事とする「鬼」である。つまり「鬼=仮面ライダー」である。響鬼の世界では仮面ライダーはひとつの職業みたいなものなのだ。

明日夢くんはただの一般人で偶然ヒビキさんの仕事を目撃して、そっちの世界に首を突っ込むようになる中学生(初登場時)である。

 

この二人の組み合わせが響鬼という作品の肝なのである。

 

ライトな雰囲気ながらドラマ性が強調されている

前作ブレイドやそれ以前の平成ライダーでは人間と怪物のどちらにおいてもその本質的なところは似通った部分があることや、人間側が一方的に正しさを押しつけないことがはっきりと見て取れる。

 

響鬼は打って変わってはっきりとした勧善懲悪、善を勧め悪を懲らしめるストーリー展開になっている。どちらがおもしろいかは置いておいて、前作までのように重い展開ではなくなったので見やすい作品にはなっている。

 

そしてドラマ性の強調。

響鬼は先述の通り、中年のヒビキさんと明日夢少年の物語であるため、ヒューマンドラマ的性質もしばしば見られる。

 

最も分かりやすいのは明日夢くんの成長。作中では初登場時中学生からやがて医学部を志す高校生になっている。

それだけでなく精神的成長も印象的に描かれる。それも「ヒビキさん」 という存在ありきでの成長なのだ。

 

ヒビキさんは明日夢くんになにかあったら種々のアドバイスをくれる。

「たいしたことじゃないことからコツコツ初めるのが大事なことなんだよね」

「自分を信じること。それが自分らしく生きることの第一歩なんじゃないかな」とか

 

ヒビキさんは本当に刺さる言葉を投げかけてくれるのから高校生の時に見た私に大きな影響を与えた。

 

響鬼は30話以降での制作陣の変更の影響

仮面ライダー大きなお友達界隈では有名なことだが、29話の後に仮面ライダー響鬼の制作スタッフが、監督すら変更されている。諸説あるが予算的な都合とかその辺の大人の事情が原因だとか。

 

それに伴いストーリーに新キャラが投入された。

実は明日夢くんはストーリー上ヒビキさんの弟子的なポジションにあるにもかかわらず、明日夢くんは鬼にならない。

 

それは制作陣側からすると問題があるようで、その鬼としての響鬼の弟子として新キャラである桐谷京介が登場した。

 

そしてそれまでは森や山が戦闘の舞台であったが、30話からは街での戦闘が増えた。

それは魔化魍の性質の変化で説明できないこともないが、様相が変化したのは明らかだ。

 

そういった大きな変更があったが、実際に週一で見ていると大して気にならない。

特に前述のドラマ性に関しては、明日夢くんに関して言えばそれほど変化したようには見えなかった。

 

 

鬼のデザインが秀逸

デザインと言っても単にアクションスーツの出来だけではなく、その変身からの一連の動作全てが素晴らしい。

そもそも変身するために自身の肉体をトレーニングで鍛える必要があるという設定がクール。

変身に関しても(響鬼であれば)音叉を鳴らしそれを額に近づけ、体に炎がまとわり服が消滅し肉体が鬼の姿に変化する。クール。

響鬼は素の身体能力に比例して鬼になったときの能力も変化するのだ。超クール。

 

また、デザインは関連しないのだが、ヒビキさんは一度、変身せずに魔化魍を倒している。強すぎる。クール。

  

仮面ライダー響鬼の魅力

鬼の道と医学の道で迷う明日夢くんはヒビキさんにそのことを相談する。しかしヒビキさんはそれを突き放し、実質的な師弟関係の解除を宣告する。

実のところは明日夢くんの成長のために、明日夢くんを思っての行動であり、その期待通り明日夢くんは自分の道を自分自身で決めた。

 

明日夢

「ヒビキさんに憧れてたんです。ヒビキさんみたいになりたいって。でもそれじゃ駄目なんじゃないかって気がついたんです。何でもヒビキさんに頼って、ヒビキさんのマネをして。それじゃほんとに僕が目的を持って『よく生きてる』ってことにならないんじゃないかって。」

再会したヒビキさんにそう言う明日夢くん。

 

憧れ尊敬している人と同じ道で生きていく必要はない。別々の道であってもそれが本当に自分のやりたいことであればそれまでと同じような関係(ここでは師弟として)で先に進むことが出来るのだと教えてくれた。

29話までのEDテーマ:「少年よ」も併せて聞いておくと感慨深いものがある。

 

物語では、一貫して明日夢くんはヒビキさんを尊敬していたし、ヒビキさんは明日夢くんの成長を間近で見てきただけに特別視していた。

明日夢くんの成長に伴い発生する障害を解決するために大人であるヒビキさんは頼られる。しかし時に師匠のいなかったヒビキさんは弟子である明日夢くんとの関わり方に悩む。

明日夢くんはヒビキさんに憧れ、彼を鬼としてではなく一人の人間としてもその姿を見続けていた。

ヒビキさんもそういった弟子としての在り方を受け入れる。

 

自分なりの生き方を模索するあどけない少年とそれを導くかっこいいおっさん。

そういった二人の変化を楽しめる作品である。

是非高校生~大学生の方は見てほしい。きっとヒビキさんが力になってくれる。

 

YouTubeで1,2話は無料で見られるのでそれだけでも見て。

1話:https://youtu.be/eHBtcp282zk

2話:https://youtu.be/N5rh7zIwl24

 

 

余談だが、本作品を見返したときに桐谷京介に「半端な人生に何の意味があるのか」って言われて、やめろ...やめろ...ってなった。悔しい。