理系大学生の戯れ言

底辺理系大学生が書く戯れ言

メンヘラ大学生がドグラ・マグラを読む-2(ネタバレ含む)

無能大学生なので人一倍学数時間を要してしまいなかなかドグラマグラを読む時間を取れなかった。という言い訳だけしておく。

(なお、当ブログでは劇中に登場するドグラ・マグラは「」で囲っている。小説自体はドグラ・マグラと表記)

 

主人公である「私」が劇中で「ドグラ・マグラ」を手にするところまで読んでいた。

しかし「私」は「ドグラ・マグラ」を読まなかった。ちょっとがっかりした。

 

代わりに若林博士から正木先生の論文集を渡され、それを読み始める。

正木は、彼の恩師である齋藤先生の死後、当大学で後任となる。齋藤の死因は自殺だと言われるが、その自殺に至るまでが奇妙であるようだ。そして正木が大学に着任した1年後、齋藤と同じ場所で同様に自殺する。死の直前に正木は自身の論文を焼き捨てたが残したものもあり、それらを若林が時系列で並び替えた物がその論文集である。

「私」の記憶にはこの一連の変死に関する謎を解く鍵がある。

この小説は、正木の論文や対談記事を綴って主人公と同様に読み進めるという形式であるため私も実際にそれを読む。

 

最初にあるのは『キチガイ地獄外道祭文』という歌が。

一貫して精神病院が恐ろしい所だと主張するだけの歌なのだが、ひたすら「スチャラカ、チャカポコ」と書かれていて気味悪い。正直ほとんど流し読みに近い感覚で読んでしまった。結構文量あってイライラした。

 

そして次ににあるのは、正木へのインタビューを文字起ししたもの。各見出しがつけられているのでそれに沿って書く。

まずは『地球表面は狂人の一大開放治療場』

ここでは正木の研究理念が語られる。

大学に設置した開放治療場、これは正木の独創ではなく、もともと地球が開放治療場だということに立脚しているらしい。この治療場は地球の模型であり、正木が太陽となり無薬の解放治療をするのだという。
人間はもれなく精神的の片輪者と述べられた。メンヘラな私はめちゃくちゃ共感しながら読んだ。

 

そして『絶対探偵小説 脳髄は物を考える所に非ずー正木博士の学位論文内容ー』

正木がある一人の精神病患者の青年についての探偵小説を書いたらしく、それが脳髄論に関係するとのこと。

どうやら精神病棟の七号室の青年についての事実小説らしい。…ん?七?これは…。

青年は正木にアンポンタン・ポカン君と名付けられた。正木の説明とドグラ・マグラを書いた大学生の特徴が一致する。そもそもドグラ・マグラを書いたのは誰なのだ。「私」なのか?

正木がアンポンタン・ポカン君の説明をする。つまりアンポンタン・ポカン君の行動を小説にしたのだから、これから話されることは小説の内容のネタバレなのか?
というか劇中の「ドグラ・マグラ」と私が手に持っているこのドグラ・マグラは同じ物なのか?

アンポンタン・ポカンの演説内容を正木がまとめた物が「超特急探偵小説」なのだという。

以下はその演説内容について。

脳髄はその機能を脳髄自身に感付かせない。ポカン曰く、「ものを考える脳髄」はにんげんの最大の敵である。脳髄は自分のことを「物を考えるところである」と、宇宙最大最高の権威を僭称しているとのこと。
ポカンの主張は、『脳髄は人間に付随しているものながら、その存在は独立したものであり、人間の思考は本来脳髄から生じているものではなく、脳髄が人間に対しそう錯覚させているだけである。脳髄は人間をコントロールしている。』ということなのだろうか。

演説途中、『脳髄局、ポカン式反射交換事務、加入規約』というものが登場する。そこで、ねぼけ状態、つまり夢中遊行について触れられる。
要約すると、脳髄を媒介した情報は全て正しく、逆に媒介せずに伝達された情報は全て記憶していない。また、脳髄の一部が故障した際には、その一部が担っていた情報の媒介は中断され、原始の生物と同様に各細胞が先んじて働く、ということらしい。これが夢中遊行を引き起こす。
これは、「人間の精神意識は体全体の細胞一つ一つが持つものであり、脳髄はあくまでその意識を各細胞に伝達する媒体に過ぎない。」というポカンの理論に基づくものだ
脳髄が熟睡すると、加入規約にあるように全身の細胞が独立する。夢中遊行となる。
ある意志や欲望を持ったまま脳髄が眠ると、その意志を伝達する脳髄の細胞は眠り遅れ、夢中遊行において、理性を失いその欲に従う。
また、意識の癖が遺伝するとも述べられた。

ポカンの回想中の正木によると、ポカンの演説は正木の受け売りだという。ポカンの演説の中でポカンがそれ言ったらもう訳わからんがな。
さらにアンポンタン・ポカン君の演説が続く。

 

 

とりあえず以前から読み進めたところまでざっくりと書いた。

何度も寝る前に読もうと思って本を開くのだが、読んでしまうと高確率で寝付けなくなる。考えすぎて...